book: June 2005 Archives

原爆を題材にした小説作品というものは、そのテーマの重大さ故に、得てして読者の側が辟易してしまいがちだ。

4103026103黒い雨
井伏 鱒二
新潮社 1995-07
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「戦争」「原爆」といったテーマの作品を読むにあたっては、私を含めて戦争を知らない多くの読者が、魑魅魍魎がひしめく世界を勝手に妄想し、ある種の構えの姿勢を持って読書にあたる傾向があるように思う。
4022608137職業としてのジャーナリスト
本多 勝一
朝日新聞社 1984
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いつも思うのだが、本多勝一の著作には「屁理屈」が多い。屁理屈の申し子を自称する私が太鼓判を押すほどなので、間違いはない。今回彼の著作を久々に読んでみて、大学時代の研究室の恩師を思い出した。

元大手新聞社の論説委員だった私の恩師は、生粋のジャーナリストである。私が学生時代のある日、軽い調子で「新聞メディアなんて近い将来無くなるでしょうね」と言ったが最後、無知な私に対して怒涛の反論を浴びせかけ、「ふむ、何も言えまい」という顔をしたのだ。

4896250524もうみんな家に帰ろー!―26歳という写真家・一ノ瀬泰造
一ノ瀬 信子

窓社 2003-05
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久しぶりに一ノ瀬泰造に関する本を読んだ気がする。本書は比較的最近出版されたもので、泰造の実の母によって編集されている。泰造と両親との手紙のやり取りや、父親の影響を受けて写真の世界へと入っていった経緯などを読んでみると、泰造がごく普通の青年であったということを改めて実感させられる。