北朝鮮人権法

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北朝鮮人権法が成立 拉致問題解決へ経済制裁を促す 「脱北者」支援も [西日本新聞]

北朝鮮人権法は、拉致問題解決を「国の責務」とし、政府による徹底調査と日本人拉致被害者の帰国実現に最大限の努力をすると明記。その上で政府の(1)拉致問題の改善が図られていないと判断した場合の改正外為法などに基づく経済制裁発動(2)北朝鮮を脱出した「脱北者」の支援(3)脱北者支援を行う非政府組織(NGO)などへの財政的配慮―などを規定した。

日本中がワールドカップに沸いている最中、6月16日に「北朝鮮人権法」という重要な法案が参院本会議を通過した。現在、この法案について反対派によるデモやインターネット上での抗議活動が活発化しており、大きな話題となっている。

当法案のポイントは、

1. 北朝鮮が拉致問題の解決に協力しない → 経済制裁もあるよとの脅し
2. 脱北者に対して → 支援を強化する

という2点。で、反対派の方々が槍玉にあげているのは、主に2番目の「脱北者支援」について。これについての彼等の主張を簡単に箇条書きにしてみると、以下のようなものがある。

・スパイ防止法などの法整備が済んでないのにゴリ押しすると治安が悪化する
・出入国管理や難民認定などにおいて世界各国と足並みを揃えるべきだが、まだまだ準備不足
・国土が狭いから住まわせる場所がない
・日本には800兆円も借金があるのに、他国の難民を賄う余裕は無い

これらの反対派の主張を一通り眺めてみて、個人的には「もっともだ」と思う項目もあれば「ちょっと待て」と思うものもある。以下、それぞれについて考えてみたい。

1.法案が骨抜きであるという点について

これについてはごもっとも。

以前「難民認定プロセスの構造欠陥」というエントリーでも触れたが、日本は難民を受け入れるにあたっての文化的・社会的・制度的土壌が整っておらず、はっきり言って現時点での脱北者受け入れには多大なリスクが伴う。物事には順番というものがあり、脱北者を受け入れることを本気で考えているのであれば、それ相応の準備が必要なのは誰にでもわかること。「拉致問題解決」を急ぐあまり、とにかく今出来ることは何でもやってみようという安易なチャレンジ精神は控えるべきだろう。

2.国民の税金が投入されるという点について

これについては一言物申す。

お金がどうこうというミクロな問題を議論する前に、長い目でみた国益について議論すべきでは?世界情勢を十分考慮した施策をとらないと(場合によっては足並みをそろえることも必要)、最終的に苦い思いをするのは日本になるというシナリオもありうる。そういった意味で、自分の財布の中身ばかりを気にして過激な主張を繰り広げるのはベターではない。外国からの移民問題については、日本の少子化問題とも絡んで中長期的に考えていく必要のある重要課題。「未来の」国民の利益を考える際に、安易に現在の債務残高を引き合いに出すのはあまりスマートじゃない。

しかしまぁ、この「脱北者支援」に関する条項は、与党が民主党の顔を立てるために盛り込んだというプロセスを考慮すると、骨抜きになってしまっているのにも納得がいく。お互いが妥協して決めた法律案なので、内容があいまいなのは当然の結果だ。そういった意味では国民から叩かれる要素は十分に兼ね備えている。

だが、この「脱北者支援」についての規定は、国際社会との連携においてうまく機能し、万全の法整備で臨んだとすれば、プラスの効果も期待できるのではないかと思われる。北朝鮮国内の日本人拉致被害者に関する情報収集も可能になるだろうし、国際世論からも一定の評価を受けられるだろう。

一筋縄ではいかない問題だということは分かるし、国民が感情的になるのも最もだ。しかし、もう少し視野を世界に広げ、思考を未来に向けることによって、見えてくるものは大きく違う。

livedoor ニュース - 北朝鮮人権法とは。渋谷にてデモ行進!(上)
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2128082/detail?rd
Proust Cafe: 難民認定プロセスの構造欠陥
http://www.proustcafe.com/archives/2005/01/post_295.html

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