オヤジ達のバースディソング

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昨夜のオヤジ限定バースディパーティは最高だった。

場所は大学の用務員さん(喫煙所友達)の家。IT学科の男性講師陣やガーディアンズのオヤジなど、10人くらいでちびちびと飲んだ。イティック(あひる)の煮物やカラバオ(水牛)のテールスープなどをつまみに、エンペラドールをタガイタガイ(回し飲み)しながらしばし談笑。

そしておっちゃん達の酔いがイイ感じに深まってきたところで、長老格のジェフが「niko、お前の為にみんなでバースディソングを歌ってやる」と言い出した。

すると、今まで「フィリピン人の女を何人食べた?」とか「お前はもう少しバロットを食べて精力を出さなきゃならん」とか、冗談ばっか言っていたおっちゃん達が急に静まりかえる。

そして、みんな右手を胸にあて目をつむり、ジェフの歌いだしに合わせてゆっくりと「ハッピーバースディトゥーユー」と歌いだす。自分の父親と変わらない年齢のおっちゃん達が、俺みたいな若造の為に低音のドスが効いた声でバースディソングを歌ってくれている。1番を英語で歌い終えたあと、あまりにも感動してしまって声が出なくなっていたのだが、彼等の攻撃はそれで終わらなかった。

なんと2番をタガログ語で歌い始めたのだ。おっちゃん達の訛りの激しいタガログ語では意味なんて全然わからない。かつがつ聞き取れたのは「niko」という俺の名前の部分だけ。けど、心から俺の誕生日を祝ってくれてるんだという空気がひしひしと感じられて、思わず涙しそうだった。あんたら、本当に最高だよ。

腹が飛び出てて、浮気ばっかりしてて、稼いだ金をほとんど酒とタバコに費やして、日中も休憩時間のほうが多いんじゃないかと思うおっちゃん達だけど、なぜか全然憎めない。それどころか、歌声一つで中学以来泣いたことの無い俺様に涙を浮かべさせやがった。あんたらのその魔力は何なんだ?

くやしいけど、俺もこんなオヤジになりたいと思うようになった27の誕生日だった。

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