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真保 裕一

講談社 1995-11
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ホワイトアウトの作者である真保裕一によって書かれた推理小説。

その舞台がフィリピンであることとODAを題材にしているという理由から、フィリピンの協力隊員やJICA関係者の間では比較的広く読まれている本だ。マニラのドミトリーの本棚にも、この本が5~6冊は置いてある(帰国隊員がドミトリーに寄贈していくため)

私はフィリピンに住んでいてマニラという都市に比較的明るいため、本書を日本在住の人の10倍は楽しめたのではないかと思う。というのも、細部にわたる情景描写をリアルにイメージすることができ、まるで自分がそこにいるかのようなバーチャル感を得られるし、また場合によっては細かいツッコミも入れることができるからだ。

また、物語の底流をなすのがODA問題だという点も興味をそそる。ご存知の方も多いと思うが、日本からの無償資金協力は、円借款(有償資金協力)の場合と違い、入札に参加できるのは日本企業だけに限られている。しかも契約が円で行われるため、為替差益によるリスクも心配しなくていい。おまけに支払いは政府が行うので、踏み倒しなんてありえないのだ。

当然こういったおいしい話(ODA)の周りには色々な人たちが集まり、仲良くしようねぇって言ったり(談合)、晩御飯でも一緒にどう?って言ったり(接待)している。

本書では、このような日本の悪の巣窟に対して、公正取引委員会の審査官という役回りの主人公が鋭く切り込んでいってくれるので、とても気持ちが良い。というか、すがすがしい。

それはそうと、一年半以上フィリピンに住んでいるのに、この本を読んで初めて知ったことがある。それはEDSA Ave. の「EDSA」が何のアクロニムなのかということ。EDSA Ave. とは、フィリピンを南北に貫く幹線道路(エドサ革命と渋滞で有名)なのだが、色々な本を読んでも、タクシーの運ちゃんに聞いても分からなかったのだが、この本に解を見出すことができた。それはどうやら、フィリピンの国民的英雄である「Epifanio De los SAntos(エピファニオ・デ・ロス・サントス)」の名前からきているらしい。勉強になった。

日本赤軍と北朝鮮 検証若王子事件
http://www.gakusen.ac.jp/faculty/mikio/3-1.htm
フィリピンの反体制勢力
http://www.sankei.co.jp/asia/hello/phi/10/hantai.htm

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