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久しぶりに一ノ瀬泰造に関する本を読んだ気がする。本書は比較的最近出版されたもので、泰造の実の母によって編集されている。泰造と両親との手紙のやり取りや、父親の影響を受けて写真の世界へと入っていった経緯などを読んでみると、泰造がごく普通の青年であったということを改めて実感させられる。
しかし、このごくごく普通の青年の人生が、今なお多くの若者の生き方に勇気と希望を与える存在となっている理由は、彼が信念を持ってジャーナリズムの本質を追求し続けたという姿勢にある。
諦めず、妥協せず、筋を通して、真摯に向き合う。言われてみれば当然のことだが、実際に行動に移すのは非常に難しいこれらの姿勢を、泰造は26年間という人生において貫き通した。
本書の題名である「もうみんな家に帰ろー!(テンオックネァ、タウプティヤ!)」という言葉は、国軍と共産軍がにらみ合いを続ける戦場のど真ん中で、泰造が声高に叫んだ言葉だそうだ。きっと彼は心の奥底からこの言葉を発したのだろう。
また、本書には写真も多く収められている。中でも泰造の死後、両親がカンボジアに赴いた際に、変わり果ててしまった息子の頭蓋骨を沼の水で丁寧に洗ってやるシーンなどはとても印象深い。
以下、泰造がカメラマンになって2年目に、母に対して得意気に語った「カメラマン道」
「撮影するのは二の次で先ず兵士の心を開かせること。そのためにはボクシングが一番。泥んこのスキンシップで互いに信頼感が芽生えてくる。カメラを持つのはそれからなんだよ。」



久しぶりです。相変わらずの話題の豊富さと視点、論点のクリアさは読んでて気持ちがいいですわ。
泰造の名前を聞いただけで何か、ぐっときますね。
村山塊太という大正時代の画家も死に急ぐように人生を駆け抜けていったけど、2人に共通するのは「今」という時と、その「今」の中にいる自分との関係性に対して真剣に向き合う姿勢が一貫していたという所。言葉で生きず心でありのままに生きた所。
命を失う恐怖を超越させるほど魂にタッチするものとの出会いというのは誰の人生においても平等に与えられてるんだけどね。。。私らはなぜそれに気づかないんだろう。。大切なことは死なないことではなく、命をどう使うか、、、どう生きるか。
母に語ったカメラマン道。感動しました。
私も中身は違ってもこんな風に衒いなく、比較せず自分の言葉を語れる生き方をしたいなあと思いました。
みっちさん、お久しぶり。
>命を失う恐怖を超越させるほど魂にタッチするものとの出会いというのは誰の人生においても
>平等に与えられてるんだけどね。。。私らはなぜそれに気づかないんだろう。。
きっと反射的に避けている部分が否めないと思う。自分も含めて。目を背ける、気付かない振りをする、無かったことにする。こうやって逃げることの方が無難だし、人生におけるリスクが少ないから。
けど同時に、こんな風にして飄々と生きていくことに対して疑問も持っている。だからこそ、泰造の生き方から何かを見出そうと必死になる。
そして、泰造の生き方を追った若者であれば、そのヒントは十二分に得ているはずなんだけど、いざ自分の身に置き換えて考えてみると、次の一歩をどこに向かって踏み出せばいいのか分からなくなる。誰も教えてはくれないし、自分で決めることなんだけど。。。